4年半かけて貯めた100万円。目的があれば貯金は続く

 

東京都在住 女性のお金の専門家 谷古宇寛奈(やこうかんな)です。

 

先日、二男に「成人の集い 実行委員募集」のお知らせが届きました。

成人年齢は18歳になりましたが、私の住んでいる地域では、いまも式典は20歳で行われています。

実行委員はやらないと二男は言っていましたが、自分たちで作りあげたら思い出深い式典になるでしょう。

 

その通知を見たとき、ふと「自分が20歳の頃って、何をしていたかな…」と思い出しました。

実は私、専門学校に入学してから、わずか1ヶ月で中退しているんです。

 

専門学校中退と、心に秘めた100万円の決意

 

実は私、歯科衛生士を目指して専門学校に進学したのですが、入学からたった1ヶ月で中退しました。

理由は、「いましかできないことをやってみたい」と思ったから。

当時、私はダンスに夢中で授業とバイトと練習の毎日。

気がつけば、教科書よりステージに心が動いていました。

 

親には反対されるかもと思ったけれど、話してみると、

父は「歯科衛生士の資格があれば、子育て後も困らないよ」「学校は2年。今だけだよ」と言ってくれました。

 

でも、18歳の私にはそれが響かなかった。

「もう行きたくない」と正直に伝えると、父はこう言ったんです。

「それなら、無理だね」と。

 

小さなころから、私の意見を尊重してくれる父でした。

このときも変わらず、私の気持ちをまるごと受け止めてくれたのだと思います。

 

お金のことは、なにも言われませんでした。

だから私は心に決めました。

「100万円、必ず自分の力で返す」って。

 

でもその決意は、口には出しませんでした。

言ったら、返さなくていいと言われると思ったから。

 

正直、後悔を感じたことは何度かあります。

でも、中退しなかったら後悔しなかったのかといえば、そうとも限らないなと思います。

選ばなかった人生と比較することはできないですからね。

 

 

 

 

どうやって貯めたか?貯金が続いた理由

 

100万円を返す。

そう決めてから、私は“貯めるための仕組み”を自分なりに考えました。

その中で、今思うとうまくいったポイントは、以下のようなことだったと思います。

 

  1. 目的が明確だった

「返したい相手がいる」という強い気持ちが、原動力になった。

 

  1. 金額と期間を“見える化”した

月2万円×4年ちょっとで100万円という、現実的な目標を立てていた。

大きな数字でも、分解すれば届くかもしれないと思えた。

 

  1. 先取り貯金だった

「余ったら貯める」ではなく、「入ったら先に貯める」ことで、

自然と“なかったこと”のように続けられた。

当時はまだ、「先取り貯金」なんて言葉も知らなかったけれど、

とにかく、もらったらすぐに分けておく、そんな方法を無意識で選んでいた。

 

  1. 自分で決めたことだった

誰かに言われた目標ではなく、自分が決めたことだったからこそ、やめなかった。

計画どおりにいかなくても、責めることなく“続ける”を選べた。

 

  1. 達成後に渡したかった

「貯め終わったら、自分から渡す」と決めていたから、

その日まで誰にも話さず、貯め続けることができた。

 

“なんのために”が、自分を支える

 

私はこの貯金を「100万円を返すため」と言いながら、

きっと「自分の気持ちを整理するため」にもやっていたのかもしれません。

 

中退を選んだのは、私の意思だった。

だからこそ、自分で責任をとりたかった。

そうやって、「なんのために」貯めるのかがハッキリしていたことが、続けられた理由だったと思います。

 

お金を貯めるというと、

「節約しなきゃ」「我慢しなきゃ」と考えてしまいがちですが、

貯金は、“未来の自分へのプレゼント”でもあると私は思っています。

 

  • どんな自分でいたいか?
  • 誰のためにお金を使いたいか?
  • なにを大切にして暮らしたいか?

 

そうした問いの先に、自然とお金の流れがついてくることもあります。

100万円を貯めるのに4年半かかったけれど、

あのときの経験がなければ、今の私は少し違っていたかもしれません。

 

「なんのためにお金を使うか」「なんのために貯めるか」

そんな視点で見てみると、

数字の向こうに“自分らしさ”が見えてくるかもしれません。

 

FP 谷古宇寛奈プロフィール

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