ふるさと納税は税金が返ってこない?住民税の戻り方の制度
ふるさと納税していますか?
仕組みがよくわからないまましていませんか?
情報誌などではあまり語られていない、ふるさと納税をやってみて初めて気付く注意点3つをご紹介しています。
今回は(2)「税金が現金で還ってくるのではないこと」
ふるさと納税の控除額
ふるさと納税では、限度額以内であれば自分の持ち出しが2,000円で寄付できる、と言われていますね。
例えば6万円の寄付の場合、2,000円は負担するけれども、残りの58,000円は税金が還ってくる、と思っている方がとても多いです。
これは間違いです。
正しくは所得税の還付の分は現金で受け取れますが、住民税の分は翌年の6月に決まる税額がその分安くなるだけ、現金で還ってこない、というのが正解です。
年収600万円の場合
では例として、年収600万円・夫婦と高校生2人、給与収入の方の場合をみていきましょう。
この方の限度額(2000円の持ち出しだけで済む寄付金額)の目安は6万円です。
6万円ふるさと納税した場合、自分で負担しない58,000円はどういう仕組みで負担しないで済むのでしょうか?
所得税は還付
まず所得税では自分の税率分が還付されます。
所得税は所得が増えるにつれて、5%、10%、20%、とだんだん上限の税率が上がっていきます。
例の場合、収入600万だと税率は10%のことが多いですから、寄付額6万円から2,000円を引いた58,000円の10%、5,800円が還付されます。(復興特別所得税は省略)
還付のためには確定申告が必要です。(ワンストップ特例制度を除く)
総務省 ふるさと納税ポータルサイトより
住民税の減額
次が住民税です。
残りはみな住民税で軽減されますが、還付ではないという点がポイントです。
それは、所得税と住民税の仕組みの違いを理解していただくとわかります。
所得税はその年の収入に応じてその年に払う仕組みなので、まだ1年の所得がわからない1月から見込みの金額が源泉徴収されています。
そのため、1年の所得がはっきりしたら、年末調整や確定申告で最終的に帳尻合わせをして、取り過ぎなら還付を受けられます。
住民税は、所得税と違って翌年に払う税金なので、年末調整や確定申告が済んで、税金の金額が決まってから始めて支払う仕組みになっています。
ですから、ふるさと納税をして税金が軽減された場合、その軽減分少なくなった税金を翌年6月から始めて払うわけです。軽減された分が現金で還付されるわけではありません。
減税を家計に生かすには
おわかりいただけたでしょうか?
これがなにを意味するかというと、6万円ふるさと納税しても住民税が減った分をうやむやにして使ってしまったら、実際の負担額は2,000円ではないということです。
本来なら6万円貯蓄できていたはずなのに、ふるさと納税にまわしてしまったのであれば、浮いた税金分を代わりに確保しないと、特産品は楽しんだとしても単に6万円支出を増やしてしまったことになりかねません。
■対策(2)■ 浮いた住民税の分、毎月の貯蓄を増やす
例の場合で、住民税の軽減分は52,200円でした。12で割った4,350円が毎月のおおよその軽減額になります。
その分を毎月の貯蓄額に上乗せしましょう!
実際には税額は毎年もっと違ってきますが、税金の変化すべてを捉えるのは難しいので、ふるさと納税の分だけは確実に貯蓄額に反映させることが大事です。
ちょっとした工夫で、家計に不都合のないようにふるさと納税を利用したいですね。
次回は(3)ふるさと納税の注意点・控除の上限は今年も一緒?
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