【2025年度版】子ども3人の大学無償化!所得要件撤廃と注意点について
大学無償化は、正式名称は「国の高等教育の修学支援新制度」と言います。
この大学無償化は、大学・専門学校などに通う子どもへの支援制度で、授業料などの減免や給付型奨学金を支給するものです。
子どもが3人以上いる「多子世帯」には、2024年度からより収入がある家庭へ支援が拡大し、 2025年度からさらに所得制限なしの大学等の入学金・授業料が無償化されます。
出典:文部科学省(本制度の概要説明資料)多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化について
ポイントは
1.令和7年度から所得制限撤廃
ただし、授業料免除分のみ(給付型奨学金は所得制限あり)
2.資産要件は撤廃でない
ただし、2024年度(令和6年)より変更予定
3.扶養する子どもが3人以上が対象
例えば3人兄弟の家庭でも、年上の子どもが大学を卒業して就職したり、子どものアルバイト収入が増えすぎたりして、親の扶養から外れた場合などは、多子世帯には該当しなくなり、2人目・3人目がまだ学生でも、支援対象でなくなります。
以上がポイントです。
それぞれ詳細をご案内します。
2024年度までの支援金額(私立大学に自宅外から通う場合)
高等教育の修学支援新制度では、2023年度まで支援を受けられるのは第Ⅰ区分の住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯である第Ⅱ区分・第Ⅲ区分までで、それ以上の収入がある世帯へは支援がありませんでした。
出典 :文部科学省「奨学金事業の充実」
例えば、私立大学に自宅外から通う場合には、入学した年度は入学金・授業料の減免額が96万円・給付型奨学金の年間合計約91万円で、合わせて約187万円。第4区分に該当すれば、多子世帯は1/4の約47万円の支援があります。
多子世帯(子ども3人以上)は2025年度からこう変わる
2025年度から多子世帯は、入学金と授業料は所得制限がなく上限まで支援を受けられるようになります。
ただし、授業料免除分のみで、給付型奨学金は所得制限あります。
給付型奨学金については、2024年度までと同様に第Ⅰ~Ⅳ区分に分類され、世帯の収入によって金額が変わります。
私立大学で自宅外から通う場合の例でみると、次の図のようになります。
2025年度からの支援金額(私立大学に自宅外から通う場合)
支援金額は、通う学校の種類よって上限額が定められていますので、わが家の子どもの場合で確認しておきましょう。
大学等の入学金・授業料の支援金額
国公立 | 私立 | |||
---|---|---|---|---|
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 28万円 | 54万円 | 26万円 | 70万円 |
短期大学 | 17万円 | 39万円 | 25万円 | 62万円 |
高等専門学校 | 8万円 | 23万円 | 13万円 | 70万円 |
専門学校 | 7万円 | 17万円 | 16万円 | 59万円 |
出典 :文部科学省「令和7年度からの多子世帯への授業料等無償化に係るFAQ」問4-1
支援金額には上限があり、各学校の入学金・授業料は異なるため、必ずしも無償になるとは限りません。
私立大学の場合、授業料が68万円の学校・学部であれば無償になりますが、75万円ならば一部自己負担となります。
子どもが3人以上でも、同時に扶養が条件
2025年度からの支援が拡大される「多子世帯」とは、子どもを3人以上同時に扶養している世帯を指します。
ここで、「扶養」とは、税金を納める際に扶養する人数として含めていることです。
例えば3人兄弟の家庭でも、年上の子どもが大学を卒業して就職したり、子どものアルバイト収入が増えすぎたりして、親の扶養から外れた場合などは、多子世帯には該当しなくなり、2人目・3人目がまだ学生でも、支援対象でなくなります。
ただし、多子世帯としての支援は対象外となっても、世帯の収入が第Ⅰ~Ⅳ区分までにあてはまれば、多子世帯以外の支援対象を受けられます。
多子世帯の授業料等無償化の申込手続きはどうするの?
高等教育の修学支援新制度には、高校3年生の段階で申し込む「予約採用」と、大学等へ進学後に申し込む「在学採用」の2種類がありますが、多子世帯の授業料等無償化については、2025年度は進学してからの在学採用だけになります。
入学後に学校の窓口を通じて日本学生支援機構へ申し込みを行いましょう。4月に申し込みをするなら、世帯の収入は2023年分で判断されます。
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