手数料3,900円で遺言書が安全に預けられる?
今年の7月から、生前に自分で作成した「自筆証書遺言書」を法務局で保管する制度が始まりました。
保管申請の費用は3,900円です。
身近になった遺言書の保管制度、気になる方はぜひチェックしてください。
遺言書は資産家だけのもの?
遺言書と聞くと何となく敷居が高く、資産家のものというイメージが強いかもしれません。
「遺言書を残すほどの資産はない」「相続争いなんて無縁」と思っている方も多いでしょう。
でも、実情はやや違っています。
相続人の間で話し合いがつかず、裁判所に持ち込まれる件数の1/3が資産1,000万円以下。また、全体の3/4が5,000万円以下という報告があります。
遺産がマンションや土地、預貯金などを含めると、決して高い相続額ではありません。
70歳以上の二人世帯における、預貯金や株などの金融資産の平均値は1,978万円です。
金融資産だけでも2,000万円となることから、相続争いは決して資産家だけの問題ではないようです。
保管制度を利用するメリットは?
意外と身近な相続争いですが、事前に防ぐ有効な方法として遺言書があります。
遺言書の中でも、自分で書いて自分で保管する「自筆証書遺言」は手軽で費用もかかりません。
けれども、紛失したり改ざんされたり、死亡後、裁判所に持って行って検認する必要があったりで、意外と手続きに時間と手間がかかります。
今回スタートした、「自筆証書遺言書保管制度」を利用すれば相続が発生した際、紛失や改ざんの心配がなく検認も不要なので、相続手続きがスムーズになります。
せっかく書いた遺言書が死亡後、発見されないということもありません。
遺言書を作成したほうがいい方とは?
作成したほうがいい方の一例を挙げます。あくまでも参考です。
- 遺産が土地や建物などで分割しにくい
- 相続人同士が不仲、相続人の中に海外在住者、行方不明者がいる
- 配偶者がいない、子供がいない
- 再婚していて、元配偶者・子供と連絡を取っていない
自筆証書遺言書 作成時の注意事項は?
作成の基本ルールは下記です。詳細は法務局のサイトでご確認ください。
- 本文は、本人が手書き
- 作成年月日を記載
- 署名
- 押印
※目録(財産リスト)はパソコンで作成したものや通帳コピーでも可
申請手続きは、予約が必要になります。
住所や本籍地などを管轄する法務局に事前に連絡して下さい。
私自身、「遺言書なんて無縁」と思っていた一人ですが、万が一を考えて遺言書を作成してみようかと思います。