新社会人になったら知っておきたいお金の話〜社会保険・税金・健康保険・年金・年末調整〜

女性のお金の専門家
マイライフエフピー®認定講師の岡ゆみです

社会人になって、給与やボーナスをもらって嬉しいのもつかの間

「色々引かれてて手取りが思ったよりも少なかった」
「これってなんで引かれているの?」
「この料金はどうやって決まるの?」
「年末調整ってなに?なんで必要なの?」と思われた経験はありませんか?

支払う意味もわからずに、払わなきゃいけないからという理由だけではなんだか納得いかないですよね。物価上昇が続く中で、できることなら「少しでも手取りで受け取れる金額を増やしたい!」このようなご相談をよくいただきます。

給与から引かれている内容や年末調整の仕組みが理解できたことで
→納得して支払うことができるようになった
→民間の保険を減額することできて節約に繋がった
→iDeCoなどのお得な制度を活用し年間8万5千円もの
節税につながった

という方々もいらっしゃいます。

実際の節税効果は収入や働き方などによっても異なりますが、まずは何が引かれていて、どういうメリットがあるのか、料金はどのように決まるのかをこちらの記事では解説します。

目次

  • 給与天引きされるものの種類
  • “勝手に引かれている”社会保険料
    (健康保険、厚生年金、雇用保険)のメリットは?
  • 保険料はどうやって決まるの?
  • 税金の種類と年末調整

 

給与から引かれているものの種類

給与から引かれているものは大きく分けるとこの3つ。

  • 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)
  • 税金
  • ご自身の財形貯蓄や団体保険、寮費など

他にも企業によっては共済会というものに加入し、支払っている場合もあります。みなさんはいかがですか?ご自身の給与明細で何が引かれているのかを確認していただき読み進めていただくと、さらに理解が深まると思います。

3つ目の財形貯蓄や団体保険などは、ご自身で決めている自覚があるものの方が多く、引かれている理由も明確なため、この記事ではいわば“勝手に引かれている”社会保険料、税金について着目してお伝えしていきます。

 

“勝手に引かれている社会保険”のメリットは?

1)健康保険

まず一番身近な健康保険から考えていきましょう。
健康保険に加入することで受けられる保障や支給は、病院での窓口負担が3割で受診できる、入院などで医療費が高額になったときに1ヶ月当たりの自己負担上限額を計算し、超過して支払った部分は払戻しが受けられる(高額療養費制度)、病気や怪我で3日間連続で働けなくなった場合にはに最長で1年6ヶ月、傷病手当金が支給されます。他にも出産のために仕事を休んだ方へ出産手当金、出産費用の50万円支給してくれる出産育児一時金などがあります。

2)厚生年金

日本の公的年金制度は2階建ての仕組みですが、厚生年金に加入しているか方は将来、1階部分の国民年金部分だけでなく2階部分の厚生年金ももらうことができるので、厚生年金に加入することで将来の年金額が増えます。

そのほかにも年金制度は、年金の被保険者であるに万が一のことがあった時、その方によって生計が維持されていた遺族には「遺族基礎年金」さらに「遺族厚生年金」をもらえる場合がある。病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになった場合にも「障害基礎年金」を受給することもでき、こちらも「遺族厚生年金」を受給することができます。

 

2)雇用保険

雇用保険に一定期間加入していると失業した際の収入の備え(失業給付など)、育児休業を取得した際の備え(育児休業給付金)、またスキルアップを支援する制度(職業訓練や教育訓練給付制度)を受けることができます。
失業給付や育児休業給付金は、失業や出産など、その状況にならないともらうことができませんが、教育訓練制度はスキルアップ、資格取得を応援する制度で労働厚生大臣によって指定された講座を受講・修了した場合その費用が一部支給されます。資格の種類により給付率が異なりますが最大で受講費用の70%もの支給を受けることができます。

保険料はどうやって決まるの?

健康保険料、厚生年金保険料は、原則毎年4月から6月の残業代、通勤手当等も含む税金も引かれる前の給与を元に標準報酬月額が計算され、それに加入している健康保険が定める保険料率というものをかけて保険料が決まります。厚生年金保険の保険料は、一律の18.3%をかけた金額を会社(事業主)と半分ずつ負担します。

4月〜6月の給与が基準になるので、残業が多かった方は標準報酬月額が高くなり、その金額を元に保険料が計算されるので、もし社会保険料を下げたい方は、この時期は少し残業を減らすなどの工夫もできます。社会保険料は高くなると引かれる金額が増えるので損した気分にもなりますが、将来受け取ることができる厚生年金はUPします。

雇用保険料は上記の2つとは異なり、毎月の給与総額に対6/1000計算し引かれています。(業種によっては若干異なります)

 

税金の種類と年末調整

給与から引かれる税金は所得税と住民税の2種類です。それぞれみなさんの所得に応じで計算されますが計算方法や仕組み、支払うタイミングが違います。

●所得税…1月〜12月の1年間の全ての所得を元に税額を計算し納税します。
給与所得の方は源泉徴収といって国税庁の「源泉徴収税額表」を参考に毎月の給与から一定額を引かれ(徴収)ます。

●住民税…前年の所得に対して計算され、翌年の5月〜毎月の給与から引かれます。

住民税は前年の確定した所得に対して計算し納税していますが、1つ目の所得税は毎月の収入に対して引かれいるものの、まだ今年の収入額は確定していません。

よって年末調整にて1年間の給与が確定する年末に税金を計算しなおし源泉徴収された税金の合計と、実際の支払うべき納税額の差額を調整する必要があります。

税金は収入に対して計算されますが、養う家族がいる場合や加入している生命保険、住宅ローンの借入やiDeCoにご加入の方は年末調整にて申告をすることで税金が安くなります。

 

最後に

“勝手に引かれている社会保険”実はとっても手厚い公的な保険です私たちは学校でこのようなお金のことを学んでいないので、知らなくても当たり前だと思います。ですが、「引かれている=加入している」ということです。ぜひ、改めてご自身の給与明細を確認なさって上手に支援制度も活用してくださいね。

 

元都市銀行勤務
4歳・6歳の2児の母
岡ゆみ

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