失業手当ー仕事を辞めた時の不安に備えるー

女性のお金の専門家 ゑびすかよこです。

先日、仕事を辞めた後のお金のご相談を受けました。

現在の勤務先を退職後に、間を開けずに次の就職先が決まれば問題はありませんが、そうでない場合は収入がなくなります。

生活をしていく上で、収入(お金)がないのは、大きな不安とつながりますね。

そこで、ご相談者さまには雇用保険の内の「失業給付(基本手当)」についてお話しました。

当記事では、失業給付(基本手当)を「失業手当」と表記させて頂きます。

 

雇用保険ってなに?

・失業した場合

・雇用の継続が困難となる事が生じた場合

・自ら職業に関する教育訓練を受けた場合

・育児休業した場合や育児のために労働時間を短縮した場合など

働いている人がもしもの時にも安心して生活が送れるように、再就職や雇用の継続を促す国の制度です。

 

加入条件があります!

・週の所定労働時間が20時間以上

・31日以上の雇用の見込みがある

・学生ではない

上記に当てはまる人を雇う事業は、必ず入らないといけない保険制度です。

会社にお勤めの方は毎月の給与明細に「雇用保険(料)」と書かれて天引きされていますので確認してみて下さい。

反対に、個人事業主など事業をされている方は加入が出来ません。

先の話になりますが、2028年10月に所定労働時間が10時間以上で雇用保険に加入が可能となります!

これにより、働く多くの人が加入対象となり、失業手当や育児休業などの保証が受けられるようになります!

 

ご相談内容

今回のご相談者さまは、お仕事を辞めた後、次の仕事が決まっていない時のご不安でしたので、「自己都合で退職した場合に受け取れる失業手当」についてご説明しました。

以下の、図に失業手当を受け取るまでの流れをまとめています。

図1)令和6年雇用保険制度改正(厚生労働省)を加工して筆者が作成

 

失業手当は、すぐには受け取れません!

退職すると、勤務先から離職票をもらいます。

管轄のハローワークに、離職票を提出し、求職の申込と受給資格の決定を受けます。

受給資格の決定を受けた日から7日間の待期期間が設けられています。

自己都合退職の場合、さらに、1ヶ月の給付制限が設けられています。

(5年間で3回以上の自己都合退職をしている場合は3ヶ月の給付制限が設けられています。)

ハローワークの指定された認定日に来所し、失業の認定を受けます。

その後、指定された認定日(原則4週に1回)に、ハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

※支給期間は、雇用年数と失業に至った理由や年齢によって異なります。

 

給付制限は2025年4月の改正前は2ヶ月でしたので、1ヶ月に短縮された事で失業手当が早く受け取れるようになりました!

 

図2)令和6年雇用保険制度改正(厚生労働省)を加工して筆者が作成

また、給付制限が解除となる条件として、「ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練等を受講した場合」のみでしたが、改正により、「離職期間中や離職日前1年以内に自ら雇用の安定及び就職の促進に関する教育訓練を行った場合」も給付制限が解除となります!

 

該当する教育訓練は沢山あります。

出典:教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など(厚生労働省)

注意点として、教育訓練給付金対象の講座の受講費用は自己負担です。かつ、教育訓練給付金を受け取るには、手続きが必要です。

もし、対象の講座を受けようと考えていらっしゃる方は、申請が年に2回(4月~、10月~)となっていますので、気を付け下さいね。

 

こちらから、対象となる講座を調べる事が出来ます。

教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム

https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/

 

今回の雇用保険の改正により、会社を辞めた後でも失業手当が早く受け取れる事で離職後の生活の安定がとりやすくなり、学べるスキルの範囲が広がり、再就職での雇用の安定が見込めるのは経済的にも心理的にも安心が出来ますね。

私は10年程前に失業手当を受給した事があり、その経験と合わせてご相談者様にお話した所、「仕事が決まらなかったらどうしようと焦っていたけど、失業手当も選択肢の一つと考えると安心しました。」と言って頂けました。

仕事は生活をしていく為にかかせないものです。人それぞれで仕事をするモチベーションは異なりますが、「労働時間」、「労働条件」、「収入」など、自分らしい働き方を選んでいけると人生は豊かになるのではないかと考えております。

知っているだけで、選択肢が増えます。

難しく感じる「お金の話」を分かりやすくお伝えします。

女性のお金の専門家 ゑびすかよこ