平均寿命とiDeCoの改正

働く女性を応援するお金の専門家の池尻美由紀です。

先日のニュースで、日本の平均寿命が過去最高を更新したとありました。女性87.74歳、男性81.64歳(厚生労働省が7/30発表)、男女共に9年連続寿命が延びているとのことです。80歳はまだまだこれから、人生100年時代は本当にすぐそこまで来ていますね。実は私の祖母は、2カ月前に100歳を迎えました。子ども4人と一緒の写真が地方新聞に掲載されました!とてもいい笑顔でした。記憶力もばっちり、食欲満点、元気なおばあちゃんです。国も長寿化に向け、資産寿命を延ばすことを検討しています。今日は資産寿命の中から、2022年のiDeCoに関する改正についてお伝えしたいと思います。

受け取り開始時期の選択肢の拡大(2022年4月~)

現在、iDeCoの受取開始時期を60歳~70歳の間で選ぶことができます。それが75歳まで可能となります!公的年金の繰下げも75歳まで可能になります!!公的年金の受給をひと月遅らせる毎に0.7%受給額が増えます。75歳で受給開始した場合は84%の増額ですね!(例えば65歳で15万円の年金を受け取る方が、75歳に繰下げ受給をした時は、27.6万円になります。)iDeCoと組み合わせることで、iDeCoを早く受給して、公的年金を繰下げしたり、まだまだ現役バリバリ働く方は、どちらも75歳で受給したりといろいろなパターンが考えられます。それぞれのリタイアメントプランニングに合わせて、豊かな老後資金を設計することが期待できますね。

iDeCoの加入可能年齢の拡大(2022年5月~)

現在、iDeCoに加入できる年齢は59歳までです。これが原則64歳まで加入できるようになるのです。原則というのは、60歳以降も会社員として働いて社会保険に加入している65歳未満の方、任意で国民年金に加入している65歳未満の方です(iDeCoの老齢給付金を受給した方、公的年金を65歳前に繰上げ受給した方は除かれす。)とても注目されています!!

⑴50歳で加入するかどうか悩まれていた方には朗報ですね。
50歳代で新規加入すると、10年に満たないので、60歳で受給することができません。受給できず、所得税控除もないまま口座管理料を支払わなくてはなりません。65歳まで加入することができれば、所得税控除というメリットをそのまま受け続けることができるのです。

⑵それから加入期間が短い方は老後資金を積み増しできますね。
例えば毎月2.3万円積み立てたとします。5年間で138万円と運用益の積み増しが期待できます。運用益と合わせて138万円以上の積み増しはとても魅力的です。

⑶何といっても所得税額控除が受けられますね。
例えば毎月2.3万円積立てると年間27.6万円の積立てです。所得税率10%の方でしたら、住民税10%と合わせて20%の税率です。税負担が5.52万円(27.6万円×20%)軽減されます。5年間だと、27.6万円(5.52万円×5年)のお得です!ちょうど1年分の積立金額に相当しますね。

⑷海外居住者の加入できるようになります。
今までは、海外居住者はiDeCoの加入ができませんでした。しかし、国民年金に任意加入すれば、加入することができるようになります。

⑸脱退一時金の受給要件が見直されました。
iDeCoのデメリットといえば、一度加入したら原則60歳まで途中解約できないことです。中途解約できるのは、国民年金の保険料免除者に限られていました。しかし、掛け金が少額、掛けていた期間が短いなど、要件を満たせば、iDeCoの脱退一時金を受け取ることができるようになります。

企業型DCとiDeCoの同時加入の緩和(2022年10月~)

現在、企業型DCに加入されている方が、iDeCoに加入するためには、各企業の労使の合意が必要です。この合意がなくても、本人の意思だけでiDeCoの利用が選択できるようになります。(同時加入には、iDeCoの拠出限度額に一定のルールがあります。)ご自身の意思だけで決めることが出来るのがいいですね。

iDeCoの加入者はここ10年間で15倍に伸びています。2018年頃から急増しています。50歳でiDeCoに加入してもメリットがないと考えていた方、まだ間に合いますよ!50歳代の私も設計見直しです。今までiDeCoに全く興味がなかった方もちょっと興味を持って頂ければ嬉しいです。

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