老後のお金を貯金で備えていても大丈夫?貯金のリスクを知ろう

独身女性のためのお金の専門家 川井真澄です。

老後のために貯金はしてますか?

銀行や郵便局にお金を預けておけば、減ることがないので安心ですよね。

貯金箱に貯めているお金も使わない限り減ることはありません。

しかし、それは「数字」上での話。

貯金していれば大丈夫という考え方をアップデートしましょう。

数字ではわからない本当の貯金残高

貯金は投資と違いリスクがないと思っているかもしれませんが、実はリスクはあります。

利息のリターンだけではなく、お金の価値の変動によるリターンとリスクが存在しますよ。

お金の価値が下がっているときは実質的にお金が減る。

お金の価値が上がっているときは実質的にお金が増える。

貯金の残高の数字は変わっていなくても、経済の状況によって同じお金でも買える量や質が変わるため、実質的なお金は増減しています。

では、なぜお金の価値が変動するのでしょうか。

買えたものが買えなくなるリスク

お金の価値は、物価に影響されます。

まさに今、物価が上がっていますので、お金の価値は下がっていることになります。

例えば、リンゴ1個が100円という基準にして考えてみましょう。

物価上昇(インフレ)

リンゴが150円になった場合は、100円ではリンゴが買えません。

100円にリンゴ1個の価値がないということで、お金の価値が下がったことになります。

物価下落(デフレ)

リンゴが50円になった場合は、100円でリンゴが2個買えます。

100円にリンゴ2個の価値があるということで、お金の価値が上がったことになります。

モノやサービスの価格だけでなく、お金の価値が変化することにも注目しましょう。

貯金の利息があれば大丈夫?

貯金には利息がつきますね。

もしお金の価値が下がったとしても、利息でお金が増えていけば問題ないはず。

しかし、今は低金利です。

100万円を年利0.001%で預けると、利息は10円(税引き前)です。

物価は、2023年8月の消費者物価指数を見ると3%以上上昇しています。
出典:総務省統計局/消費者物価指数(CPI)結果/2023年8月分

金利が物価上昇率に追いついていませんので、お金の価値の下落を利息で補うことはできません。

お金の価値が下がるインフレのときは、利息があったとしても貯金しているお金は実質的に減っています。

貯金を目減りさせない方法

お金の価値が下がり貯金が実質的に減ることを、貯金が「目減り」するといいます。

貯金の目減りを防ぐためには、物価上昇率より高い金利の金融機関にお金を預けることです。

しかし、そのような金融機関は見当たりませんので現実的ではありません。

そこで物価上昇に連動する「投資」を活用します。

例えば、企業の株価は上がったり下がったりしますが、物価が上がるインフレでは企業の業績が上向きになる傾向にあります。

すると、投資家の期待が大きくなり株価が上がるサイクルが生まれます。

株価が上がっていけば高い利回りで運用することができ、お金が増え、お金の目減り対策になります。

投資初心者が個別株を購入することはハードルが高くなりますので、プロにお任せできる投資信託を購入することでクリアできるのではないでしょうか。

貯金が不可欠な理由

目減りするから貯金はいらないというわけではありません。

貯金にも投資にも特徴があります。

貯金の特徴は、すぐにお金を手元に用意できることです。

家電が故障したらすぐに買い替えないといけませんし、病気やケガしたときにもお金が必要になりますよね。

もし投資だけで備えていたら、元本割れしている状況でお金を引き出さないといけなくなるかもしれません。

そういったリスクを減らすためにも、今すぐに起こるかもしれないトラブルのお金は、貯金で備えておきましょう。

まとめ

貯金をしていれば安心ではなく、「目減り」のリスクがあることを忘れてはいけません。

お金を備えるときは、「なにのために」「いつ必要なのか」を考えましょう。

そして、備える場所の特徴を有効に使うことが大事ですよ。

 

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