2017年度から給付型がスタート!奨学金の最新事情

今や大学生の51.3%が奨学金を利用しています。(平成26年度 日本学生支援機構調査)
学生本人が奨学金を借りることがフツウになっていますが、一方で卒業後も思うような就職ができず、奨学金の返還に苦しむ若者のすがたが報道されたりして気になりますね。

そんな中、とうとう「返さなくていい給付型の奨学金」が、国から発表されました!
奨学金の最新事情をお送りします。

国のサポートプランが始まった

2016年の12月に、文部科学省が長~い名前のプランを公表しました。
高等教育進学サポートプラン

プランの趣旨は、

◆意欲と能力のある若者が経済的に困っていても、進学できるように後押しする。
◆奨学金を安心して利用、返還できるよう、情報提供・相談・支援を充実する。

こんなかんじです。

具体的には、新しくはじまるのがこの5つ。

1. 給付型の奨学金をはじめる
2. 入学時に一時金を給付する
3. 無利子の奨学金をうける条件のうち、成績基準をなくす
4. 所得に連動して返済金額をきめる返し方もえらべるようになる
5. 奨学金制度にくわしいアドバイザーが学校に派遣され、サポートが受けられる

1~4については、利用できるのは低所得世帯など、要件があります。

今回は、新しく始まる給付型である、1と2について、詳しく解説します。

給付型奨学金がスタート

奨学金といえば、日本学生支援機構(JASSO)が代表例ですが、これまでは返す必要がある「貸与型」しかありませんでした。

JASSO
今回のプランにより、始めて国の給付型奨学金ができたわけです。

本格スタートは2018年度から

給付を受けられる学生は、

・一定の学力、資質要件を満たしている。
住民税非課税世帯、または
社会的養護を必要とする人(18歳時点で児童養護施設などに入所していた人、里親の養育を受けていた人など)」

と限定されています。

在籍する高校長に推薦してもらうようです。

卒業する女子高生と先生

《給付額》
月額2万円(国立・自宅)
3万円(国立・自宅外/私立・自宅)
4万円(私立・自宅外)

国立大に進学して、授業料の全額免除を受けている学生は給付金額が減額されます。

そもそも国立大は、私立に比べて学費が安いだけでなく、所得に応じた授業料の減免制度も充実しています。
経済的に心配な学生さんは、まずは国公立を目指しましょう。

もちろん、この給付型とこれまでの貸与型は併給OK、つまり両方受給できます。

24万円の入学一時金も

「社会的養護を必要とする人」には、一時金として入学時に24万円が給付されます。
一時金は、振込開始月に上乗せされますが、入学前には受け取れないので注意が必要です。

2017年度は一部先行のサービス

2017年度は、特に経済的に厳しい状況にある学生のための先行実施とされています。

対象は、「私立・自宅外生(住民税非課税世帯)」と、「社会的養護を必要とする人」です。

給付は2017年の4月分から卒業するまで受けられます。

申し込みは、通っている大学から必要書類を受け取り、出身高校に基準を満たしているか確認し、大学に書類を提出します。

平成29年度進学者用 給付奨学金案内

 

国の給付型はやはり限定対象

対象になる学生さんには朗報ですね!ぜひ情報集めてがんばってください。

「社会的養護を必要とする人」にあてはまる人はご自分でわかると思いますが、自分の家が「住民税非課税世帯」なのかどうかは学生さん本人にはわかりづらいですよね。
親子で協力して要件が合うかチェックしましょう。

そして、住民税は支払っているけど教育費に苦労している多くのご家庭は、給付型奨学金に期待したもののガッカリしていることでしょう。

確かに給付型は今後も多くの家庭にとってはハードルが高いはずです。
より厳しい環境の学生さんが給付を受けられるようになったことをみんなで喜び、積み立てする余力のある家庭は、地道に準備していきましょうね。

住民税非課税世帯ってどのくらいの収入?

ところで住民税非課税ってどのくらいの収入なのかご存知ですか?

住民税には「所得割」と「均等割」があります。

所得割は、扶養家族が多いとか医療費をたくさん払ったとか、その人の状況に合わせていろんな控除をさし引いて計算した「課税所得」の10%です。

ここで言う「住民税非課税」とは、この所得割が非課税、ゼロということです。

一方「均等割」は5000円くらいの定額で、こちらも扶養家族の人数に合わせた計算で支払うか不要かが決まりますが、所得割に比べて低い収入でも支払うようになっています。

つまり、5000円くらいの金額だけ支払っている方は、「住民税非課税世帯」の可能性が高いです。

住民税の非課税世帯・収入基準

文部科学省・給付型奨学金制度の設計についてより

大家族の靴

家族に中高生、大学生が多ければ、年収350万でも住民税非課税の可能性があります。

詳しくは市区町村役場の税務課に聞いてくださいね。

奨学金は、入学後にしか受け取れない

給付型を中心に国の奨学金の最新情報を解説しましたが、給付型も貸与型も、奨学金は入学後にしか受けとれず、入学前に支払わないといけない入学金や施設利用料、初年度前期の授業料、寄付金などの支払いには間に合いません。

奨学金をあてにしていても、最低限この分だけは貯蓄で準備しておきたいものです。

それが難しい場合は、都道府県の福祉貸付を利用したり、教育ローンを利用して貸し付けを受けることになります。

奨学金はたより過ぎず、家計に合わせた教育費準備がやっぱり大事です。

プロフィール

早乙女美幸

 

えーるFPサポート代表 早乙女美幸