子どものアルバイト探しに、親がアドバイスしてあげられること【体験談】
こんにちは。
女性のお金の専門家 山根純子です。
先日、大学生の息子から新しくバイトをするにあたって税金の質問をされたのですが…
そこで初めて、息子が現在しているバイトが業務委託契約だということを知りました^^
かつては口うるさい母親だった私も、子どもが成長するにつれほぼ干渉することがなくなっているので、こういうことが起きます。
学生のうちにするバイトは、働くことやお金を得ることの大変さや喜びを知ることができ、将来の職業選びの参考になる体験ができるよい機会だと思っていますが、労働保険・社会保険や税金の仕組みを知らないために、問題が起きたり損をしてしまうこともあります。
今回は、今更ながら私が息子に伝えたことをまとめてみました。
まずは、条件をきちんと確認しようね。
バイトを探すとき、求人情報などで条件を確認すると思います。
仕事内容や賃金・勤務地などのほかに、雇用契約なのか業務委託契約なのかという契約の形態もしっかり確認しましょう。
面接時には、
●求人情報の条件を、再度口頭で確認する。
●求人情報では書かれていない詳細の説明を求める。
●こちらの希望もしっかり伝える。
ことが大切です。
採用が決まったら、契約書を書面で貰っておきましょう。
万が一トラブルが起きた場合に重要になってきます。
契約の形態でなにが変わる?-雇用契約の場合-
雇用契約を結んだ場合は学生アルバイトでも「労働者」として保護されます。
たとえば…
●有給休暇を使うことができる
●最低賃金以上の賃金を保障される
●会社都合で働けない場合は休業手当をもらうことができる
●バイト中や通勤中のケガは、労災保険から治療費の全額が支払われる
●ケガで働けなくなった期間の休業補償が支払われる
といったことです。
契約の形態でなにが変わる?-業務委託契約の場合-
業務委託契約の場合は労働法の対象外なので、より契約内容の確認を慎重にしたいところです。
また、
●労働保険の対象外となるので仕事中や移動中のケガ等は補償されない。
●バイト中や移動中のケガの治療費は健康保険や国民健康保険証を使って治療することは可能だけど、3割分の支払いが必要。
●回復までのバイトできない期間の休業補償はない。
といったことが雇用契約との大きな違いです。
収入金額はきちんと把握できるようにしておこうね。
学生でも、所得金額によっては税金がかかってきます。
税金がかかるかは、その年の1月1日から12月31日までの所得で考えます。
複数のバイトを掛け持ちしていると、税金の計算も複雑になり自分で確定申告をしなくてはいけなくなることがあります。
雇用契約の場合は給与明細を、業務委託契約の場合は報酬や経費の確認できる書類を保管しておくようにしましょう。
働きすぎには注意しようね。
バイトを頑張るのはいいことですが、働きすぎには注意しましょう。
学生の本分は勉強です。バイトのし過ぎで留年してしまっては元も子もありません。
また、収入が多くなれば税金や社会保険の扶養から外れます。いわゆる103万円の壁、130万円の壁というものです。
学生自身が税金や健康保険料を支払わなくてはいけなくなるだけではなく、国民年金の学生納付特例を利用できなくなります。さらに、親の税金が増えたり家族手当の支給が無くなって収入が減るといった影響がでてきます。
今年はバイトを頑張りすぎかな…と思ったら、親に相談をするように伝えましょう。
最後に
平成27年に厚生労働省が行った「大学生等に対するバイトに関する意識等調査」ではバイト件数の58.7%が労働条件通知書等を交付されず、19.1%が労働条件について口頭でも具体的な説明を受けた記憶がないという回答でした。
また、バイト件数の48.2%が労働条件等で何らかのトラブルがあったということです
社会経験が少ない学生が労働保険・社会保険や税金の知識がないのは仕方がない部分はありますが、せっかくの働く意欲が思わぬトラブル等で削がれないように気を付けるポイントを伝えておきたいものです。