養育費の決め方と受け取りで後悔しないために【体験談】

子どもを連れて離婚となった時に、必ず話し合いたいのが養育費です。

私は息子が3歳の時に離婚となり、現在も養育費を受け取っていますが、養育費の金額を決めるところから現在まで悩んだことや後悔していること、やってよかったことなどたくさんの思いがあります。

 

養育費とは

子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用のことです。一般的には、離婚後に子どもと暮らす親が、子どもと一緒に暮らさない親に対して、毎月一定額を請求できるものです。

 

養育費の決め方

・話し合い:当事者同士の話し合いで合意することが基本です。

・養育費算定表:裁判所が作成した算定表を参考に、収入や子どもの年齢などを考慮して金額を決めることができます。

・調停・裁判:話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所の調停や裁判で決定することもあります。

 

私が養育費を決めたとき

私は元夫と話し合いで養育費を決めました。

まさか自分が離婚するとは思ってもいなかったので「養育費は子どもが成人するまでもらえるもの」くらいにしか知識がありませんでした。

はじめは軽々しく「月10万払う」と言っていた元夫でしたが、計算すると2,000万円近い金額となり、今まで見たことのない額に驚き「そんなに貰っていいものなんだろうか…」と何故か相手の懐事情まで心配してしまいました。金額に驚いていることに付け込まれ、元夫からは減額の要求がありました。

納得がいかずに弁護士に相談することも考えていると伝えると、元夫は自営業をしており非課税世帯であったため弁護士を挟み養育費算定表のとおりになれば、さらに額が減り1~2万円になると言われ相手の言うままに養育費を決められてしまいました。

最終的に養育費は月7万円に決まりました。支払方法は、本当は一括で支払ってもらいたかったのですが、相手の都合で分割となりました。

ただ、月に10万払えると言っていたことから、少しでも支払期限が短くなるように、支払い自体は月10万ということになりました。

今思い返すと、養育費の相場がどれくらいのものなのか事前に調べていなかったこと、これから先の教育費にどれだけかかるのかを調べていなかったこと、総額を考えたときに今まで見たことのない額になったために相手に遠慮してしまったこと、弁護士に相談しなかったことで後悔が残っています。

 

養育費が決まったら公正証書の作成

私は元夫のことが信用できていなかったため、養育費の決定も口約束のままにはしておかず、公正証書に残すことにしました。

公正証書を作ると伝えたとき、元夫は「そんなん無くてもちゃんと払うわ!」と言っていましたが、実際には養育費が払われない月もあり、きちんと公正証書を作っていて良かったと感じています。

「強制執行認諾文言付公正証書」を作ることで養育費が不払いになった際に強制執行の手続きをすると給与や預貯金などの財産を差し押さえて養育費を回収することができます。実際には強制執行はしていませんが、いつでも強制執行ができると思うと気持ちが軽くなっています。

公正証書には「〇年〇月から△年△月まで10万円」のように詳しく記載がされます。私の場合、慰謝料も分割となっており、慰謝料+養育費で月に10万円の計算だったため細かい記載となりました。

 

公正証書の費用は、35,150円かかりました。「俺はいらんと思うけど、そっちが作りたいって言ったんやから払ってな」と言われ、私が負担することになりました。

現在、私の住む神戸市では公正証書等作成費補助金が上限5万円受けられる制度があるため、各自治体でも確認してみるといいと思います。(私が離婚したときにはなかった制度です)

 

養育費の受け取り

離婚後、数か月は約束通り月に10万円振り込まれていましたが、何の連絡もなく振り込まれない月もありました。

元夫が自営業を廃業することになり、会社員となったため月10万の振り込みは難しくなり慰謝料+養育費で月3万円の振り込みでお願いされ、しぶしぶ承諾しました。月3万円に減額してからはほぼ毎月振り込まれるようになりました。

その後、息子の発達障害が分かり、私が仕事を休んだり遅刻や早退も増え、パートで働いている私の収入が減り、加えて私自身が体調を崩して長期休暇をとり収入がさらに減りましたが、養育費の増額は難しいだろうと何も言えませんでした。私と息子が生活に困っているのに減額されていることに腹立たしく感じていました。

息子が元夫に会いたいと言い出し、数年ぶりに面会をすると、再度自営業を始めていることを知り、息子の現状や収入が減っていることを伝え、少しでも公正証書の額に近い金額を振り込んで欲しいと依頼し、現在は月6万円振り込まれるようになりました。当初決められた月7万より少ないですが毎月振り込んでもらえるよう、振り込まれたら「ありがとう」と伝えるようにしています。

 

養育費を受け取るために

養育費は子どもが成長していくために貰う権利があるものです。子どものために確実に養育費が受け取れるように取り決めをしてしっかり公正証書(強制執行認諾文言付公正証書)を作成することをお勧めします。

お互いの生活状況により、私のように養育費の減額や増額をすることがあると思いますが、話し合いで解決できない場合には家庭裁判所での調停や審判を申し立てることになります。

各自治体でも養育費や面会についての相談や、法律相談なども実施されているので離婚を考え始めたら調べてみてください。

 

養育費の不払いをよく耳にしますが、確実に受け取れるよう、制度や相談を利用していきましょう。

桝田 飛鳥