退職の翌日に高熱がでちゃった。病院を受診するにはどうしたらいいですか?

こんにちは。

名古屋市在住の女性のお金の専門家
マイライフエフピー®認定講師・認定ライターの山根純子です。

先日、お子さんが体調不良で会社を退職することになった友人から、退職前後の手続きについて相談を受けました。

体調不良で退職する場合に特に気になるのが、退職後の病院受診時の窓口での支払いですよね。

今日は、退職直後に病院を受診する場合についてお伝えします。

早めに準備。退職後の健康保険「3つの選択」

退職すると退職日の翌日から健康保険証は使えなくなります。

退職後にすぐ再就職する場合を除くと、退職後の健康保険には3つの選択肢があります。

それぞれ保険料など制度に違いがあるので、退職が決まったら「どの保険に加入するのがいいか」あらかじめ決めておき、退職後できるだけ早く切り替えの手続きをしましょう。

●選択1 任意継続健康保険

退職後も引き続き最大2年間、在職中に加入していた健保組合や協会けんぽの被保険者になることができる制度。

●加入できる人
退職前2ヵ月以上被保険者であった人

●保険料(全額自己負担
AまたはBのいずれか低いほう
A 退職時の標準報酬月額×保険料率
B その健保組合の全被保険者の平均の標準報酬月額×保険料率

●加入申込期限
退職の翌日から20日以内

●その他
家族を扶養していた場合は、保険料の負担無しで家族も保険に入れる
保険料を納付期限までに支払わないと保険証が使えなくなる。

●選択2 国民健康保険

加入条件は特にありません。住所地の役所で手続きをします。

●保険料
前年の所得により決まる
家族も加入する場合、人数が増えると保険料も高くなる
個人の事情や経済状況によって、保険料の減免がうけられる制度もある

●選択3 家族の健康保険に被扶養者として加入する

退職して収入が減り家族に扶養してもらう場合は、扶養者である家族が健保組合や協会けんぽの被保険者であれば、健康保険もその家族の被扶養者として加入することができます。

●加入できる人
年収130万円未満
扶養者との続柄で、別居していると加入できない場合があります。
同居なら扶養者との年収バランス、別居なら仕送り額といった細かい基準もあります。

●保険料
負担なし

3つのうちどの保険を選べばいいの?チェックするポイント

3つの選択肢では、家族の健康保険の被扶養者になるのが保険料の負担がないので1番お得ですが、扶養してくれる家族がいないと加入できません。

その場合、任意継続か国民健康保険かで選ぶことになるので、まずは保険料がいくらになるのか確認をしましょう。

任意継続は会社または加入する健保組合・協会けんぽに、国民健康保険は住所地の役所に問い合わせれば、保険料の金額を教えてくれます。

任意継続は加入できる2年間は大きな保険料の変更はありませんが、国民健康保険は収入がない状態が続けば翌年から保険料が下がることになるでしょう。

また、任意継続は、原則として在職中の被保険者が受けられる保険給付と同様の給付を受けることができる※ので、健保組合によっては手厚い給付が受けられる場合もあります。
※傷病手当金・出産手当金は除く。

これらの点を踏まえて、どの保険にするかを選択してくださいね。

退職の翌日に高熱が出ちゃった。病院を受診するにはどうしたらいい?

退職後の保険加入手続きは、どの健康保険を選ぶとしても、退職日の翌日以降しか受付してもらえません。
退職日の翌日に手続きできなくても、申請期間内であれば遡って退職日の翌日から有効の保険証の発行ができます。

保険証は、国民健康保険なら自治体により即日発行されるところもありますが、長ければ1週間程度、任意継続や家族の健康保険の被扶養者になる場合は2週間ほどかかります。

保険証が届く前に、病気やケガで病院を受診する場合は、基本的には窓口で全額自己負担で受診することになります。

その後、保険証が手元に届いたら、病院の窓口で保険給付分(7割分)の返金をしてもらえる場合もありますが、返金がされない場合は、新しく加入した健康保険で払い戻しの手続きをします。

この手続きには、病院の領収書診療報酬明細書が必要になるのでしっかり保管をしておきましょう。

その他の方法として健康保険証の代わりに「被保険者資格証明書」を病院窓口に提示すれば、3割負担で受診することが可能です。

「被保険者資格証明書」は、保険加入日以降なら健康保険加入の窓口に出向けば即日での交付ができる場合もありますので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

また、マイナ保険証を利用している場合は、新しい健康保険へ手続済であればそのままマイナ保険証を提示すれば3割負担で受診することが可能です。

 

退職前後は、いろいろと忙しくなると思いますが、健康保険の切り替えは申請期限があるものあるので、早めにどの保険に加入するか決めておき、必要な書類等を準備しておくことをおすすめします。

 

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